2021年は9月21日が中秋の名月。
普段忙しいとなかなかゆっくりお月様を眺める時間がとりにくいですが、9月の中秋の名月前後から10月~11月ぐらいはお月様がとてもきれいに見える季節なので、たまにはゆっくり・・・じゃなくても「お月様・・・キレイ」と思える時間をとってみてもいいのでは。澄んだ空気と虫の音色とともに、凛とした秋の夜を楽しめることでしょう、きっと。
私もこの時期ぐらいは、夕食後の食器洗いの合間にちょっとお空を眺めてみようかなと思います。
(この記事は別ブログ「子どもと楽しむ暮らしの歳時記」にアップしていた記事を引っ越し&加筆修正しました)
中秋の名月(十五夜)って?
お月様を鑑賞する秋の風物詩、十五夜という行事はどこから来たのでしょうか。
唐の時代の中国では、
7月=初秋、8月=中秋、9月=晩秋
と呼び、それぞれの満月の夜に宴をする習慣があり、美しい月を愛でていたそうです。
そして月は、満月が最も美しいといわれてきました。
中でも中秋の時期は空気が澄んでいて、 最も美しい満月が見れると言われ、この宴の習慣が日本に伝わった平安時代初期に、「中秋の名月」を見ながら宴をする習慣ができたそうです。
なるほど、平安時代に詠まれた歌には月を称える歌も多く残されています。宴のときにみんなで和歌を詠みあって楽しんだのでしょう。
15日という日の根拠は、旧暦の満月が15日だったことからきています。(旧暦は月の満ち欠けを基準に作られているため、毎月同じ日が満月となる)
こんなことから、この日は別名「十五夜」とも呼ばれているのです。
十五夜には、家の縁側や庭先などの月が見える場所にお供えものを用意して、すすきなど秋の七草といわれる草花を飾り、お月見を楽しみます。
この時期、鈴虫やこおろぎの鳴き声もよく聞こえ、秋のムード満点です。ぜひ、お月見を楽しんでみましょう♪
ただし、年によっては地球の回転の関係でズレが生じ、なぜか10月に中秋の名月となることもあります。詳細を説明するのは難しいですが、立春の日がずれて節分の日が例年と違う日になったことと関係があるかもしれません。
十五夜は前日からも月見を楽しむ
十五夜の前の日の月のことを「待宵(まつよい)」または「小望月(こもちつき)」といいます。
「待宵」は「十五夜の月を待つ宵」という意味があります。
「次の日の天気が悪くなれば十五夜の月が見られなくなるかもしれないので、前の晩の月も見ておこう」という意味合いがあったそうです。
言葉はレトロチックでキレイですが・・・どんだけ用意周到??と思ってしまう私は情緒に乏しいと言われてしまうのでしょうか・・・。
月の満ち欠けには風流な名前がついています
昔の人は今以上に月が生活に密着していました。 そして毎日少しずつ変わる月の様態にさまざまな素敵な名前をつけて愛でていたのですね。そんな風流な名前たちを紹介します。
新月 ・・・太陽と一緒に出るため見えません。
三日月・・・三日目の月のこと。こんな単純な語源だったのですね。
上弦の月・・・7~8日目の月。右半分が見える月です。上弦の鬼・・・ではありません。
十三夜・・・13日目の月。
待宵(まつよい)・・・14日目の月。満月が待ち遠しくてこう呼ばれるのかな?(調べていません)
望月(もちづき) ・・・満月。十五夜に見える月はこれです。まんまるお月様♪
十六夜(いざよい)・・・16日目の月。十五夜よりためらいがちに出てくるという意味からこんな名前が付きました。
立待月(たちまちづき)・・・17日目の月。ますます遅くなった月の出を、立ちながら待っていたからこう呼ばれています。
居待月(いまちづき)・・・18日目の月。さらに遅くなった月の出を、居間などでゆっくり待たないといけないことから。
臥待月(ふしまちづき)・・・19日目の月。寝床で月を眺めたことから。
更待月(ふけまちづき)・・・20日目の月。寝静まってから月が出るということから。
下弦の月・・・22~23日目の月。左半分が見える半月のことです。
二十六夜・・・逆向きの三日月のこと。この月が上るところを見ると、月の中に阿弥陀三尊が見えるといわれています。
三十日・・・月30日目の月。
十六夜からあとの名前の由来などは、昔の人々の生活をかいま見れるようです。たまにはちょっと窓を開けて満月以外のお月様を愛でてみるのもいいですね。それもお酒を片手に・・・なぞ。むふ。
お供えものについて
月見団子は盗み食いOK
お月見のお供えもの、といえばやはり月見団子。
これは、三方という置物(鏡餅を載せたりもする、台になる部分の真ん中が開いた、アレです)に月見団子をのせて、庭先や縁側に用意した月見台の上に置きます。
普段なら12個、うるう年のときは13個用意するのがならわしだそうです(十五夜にちなんで15個という説もあります)。
そして、このお供え物の団子は盗んでも、つまみ食いしてもいいのです。
「は?」と思ってしまいそうですが、「団子がなくなるのは神がそれを召し上がった」とされ、願い事が叶うと言われていたそうです。
合法(笑)となればそりゃあ、子どもたちは喜んで月見団子を盗むのだとか。
そして盗まれた家は大喜びで「食べてくれてラッキー」な感じだったそうですね。ということは、昔は自宅以外の月見団子も盗み食いしていたということ・・・?
さすがに今のご時世それは厳しいので、普通に家族みんなでつまんで食べたらいいのでは・・・と思います。
秋の七草
そしてともに飾る秋の七草。
秋の七草は春のと違って、鑑賞用になる花が中心となっています。
お月見というとススキばかりが取り上げられますが、そのほかに藤袴や桔梗、撫子に葛、萩、女郎花などの秋の七草をともに飾ってもステキです。ススキは十五夜の後、軒先につるしておくと一年間病気をしないとも言われています。
旬の作物もお供えします
また、この時期はサトイモの収穫時期であり、この行事そのものが収穫祭の性格を持つということもあり、十五夜には初物のサトイモをお供えします(このため9月は別名、芋名月と呼ばれることもあります)。その他枝豆や栗、季節のくだものである梨やブドウをお供えしても。
このお供えものは、家族の健康を願うためにお供えされるものなので、いずれもお供えしたあとは、家族で残さず食べるようにしたいものです。
月見だんごを作ってみる?
【材料:約2cm大のおだんご約30個分】
- 白玉粉30g
- ぬるま湯120cc
- 上新粉120g
【用意する調理器具】
蒸し器/ボウル/ふきん2~3枚/まな板など
【月見団子の作り方】
- 白玉粉をぬるま湯の約1/3で溶く。上新粉と残りの湯を加えて、手でまとめる。
- 蒸し器にふきんを敷き、(1)を一握りずつちぎって並べて、強火で20~25分蒸す。
- 蒸しあがったらボウルに移し、手で濡れふきんをまいて、もち状になるまでつく(すりこぎや麺棒で代用可かも?)
- 粘りが出たらまな板の上で直径2cmの棒にする。冷水につけて冷ます。
- (4)が冷めたら水気をよく切り、2cm幅に切って両手で丸め、おだんごにします。
(参考文献:「non-no生活基本大百科」集英社)
お供えのあとは焼いてみたらしだんごにしたり、小倉あんやジャムをかけて食べたりするとおいしい♬
月にちなんだお酒
月見と言えば「月見酒」なんて連想をするあたり、酒飲みを露呈するみたいで恥ずかしいのですが、「月」にちなんだお酒を紹介します。
カクテル「ブルームーン」
ちょっとしゃれた月見がいいという方は、月にちなんだカクテルはいかが?ジンベースで、レモンジュースとバイオレットリキュールが入っています。多少クセがありますが、オレンジブラッサムなどジンベースのカクテルが大丈夫な人にはおススメ、すっきり感もある甘口。
また、私の地元・奈良県にある梅の宿酒造では、「月うさぎ」というスパークリング日本酒を造っています。こちらもかなり甘め。でも日本酒×炭酸って新鮮な味わいで好きなお酒のひとつです。
昔の人々がキレイと絶賛するものは、現代人が見てもやっぱりキレイ・・・なんですよね。
お月様も然り。
ならばせめて今の、最も美しい月が見れるシーズンを逃さず、たまにはお外を眺めてみませんか。
もちろん、お酒にお団子、季節の野菜や果物たちを味わいながら♬
管理人プロフィール
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2005年9月生まれ高3男子・2009年1月生まれ中3男子・2011年1月生まれ中1女子の3児の母。まだまだ子育て真っ最中なので教育や子育てに関する話題に関心があります。特に発達障害児の育児への関心が高いです。
Webライター+スーパーのパートで生きています。
長男出産前は大学病院のMSW(産科・小児科担当)、その前は精神病院でPSWをしていました。
その他興味関心は世界史と幕末を中心に歴史、ドラマ、映画、J-POPなどエンタメ系、季節の行事、古民家カフェ。
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