2月3日は節分です。
節分と言えば「鬼は外~福は内~」と言いながら豆まきをする日、という印象でしょうか。
それとも「いやいや節分と言えば恵方巻でしょ」という感覚が今風なのかな。
昨年のお正月の時に書いてみた「四季を言葉で楽しむ」記事を今回は節分で書いてみたいと思います。
(この記事は別ブログ「子どもと楽しむ暮らしの歳時記」にアップしていた記事を引っ越し&加筆修正しました)
「四季を言葉で楽しむ」で思うこと
季節を感じる暮らしがしたいとつねづね思っていました。季節の保存食に挑戦したり、季節の飾り物を置いてみたり。
外の花の匂いや季節の風を感じることも季節を楽しむ方法でもありますね。
そして、季節の言葉を楽しむのもアリなのかな。季節の移り変わりを楽しんだり、農作業の目安にと親しんできた先人の知恵に触れることによって新たな季節の楽しみ方を発見することもできます。
言葉をきっかけに、五感で季節を楽しんでいただけると幸いです。
節分に関する季節の言葉と意味
私たちが普段親しんでいる「節分」といえば、立春の前日である2月の節分ですが、本当は春夏秋冬それぞれに節分があります。
まずはその謎を解きましょう。
節分の意味
本来節分は季節の変わり目の立春、立夏、立秋、立冬の前日の事を指します。
なかでも立春は昔の暦の上では新年の始まりに当たるため、ほかの節分とは別格扱いになっていました。
そんな名残が現在も残り、立春の前の節分が年中行事として残っています。
季節の変わり目には邪気が入りやすいとされるため、鬼の嫌いな臭いがするいわしの頭をひいらぎにさして玄関に飾ったり、炒った豆をまいたりといったことが行われるようになりました。
一番ポピュラーな節分行事・豆まき
豆まきは邪気を追い払うだけでなく、福を呼び込む行事ともされ、一年を幸せにすごすための願いをこめて行われます。
節分といえば「鬼は外」と言いながら家の外に豆をまく「豆まき」が浮かびます。
鬼「おに」という読み方は「陰(おん)」からきています。「陰」は邪気のことで、鬼は邪気を擬人(?)化したものと考えられます。
かけ声は「鬼は外、福は内」だけじゃない
豆まきの際、「鬼は外、福は内」と掛け声を掛けますが、地域によっては「鬼は内」と言うところもあります。
特に、鬼を祭神または神の使いとしている神社や、苗字に「鬼」の字が入っている家などでは「鬼は外」ではなく「鬼も内(鬼は内)」いうそうです。
私の住む奈良県もそういう地域のひとつであり、奈良市の元興寺では鬼が悪者を退治するという理由から、天河神社では鬼を接待するため「鬼は内」というそうです。また、千本桜でおなじみ吉野町の金峯山寺で行われる節分会では、役行者が鬼を改心させて弟子にした故事から「福は内、鬼も内」というのだとか。
私も奈良県民ですがそんなん知らんかったよ。
豆まきはどうしてやるの?
これは昔、平安時代の頃のこと。
当時、都を荒らす鞍馬山の鬼がおり、退治の際に、毘沙門天のお告げの通り、大豆を鬼の目に投げつけたと言う話があるからだそうです。
豆は「魔滅」に通じるので災厄をはらう力があるとされていました。毘沙門天さんもそのため「豆を使え」とおっしゃったのでしょう。
豆まきの豆は炒り豆を使います。
これは「炒る」=「射る」に通じ、「病気・邪気をやっつける」ことを象徴しています。
また、生の豆は芽が出るので縁起が悪いため、あらかじめ炒って使うという話もあります。
が、地方によったり、小さいお子さんなど炒り豆を誤飲する恐れのある方がいる場合は落花生をまくという家庭もあるようです。
豆まきのルール
1)豆は前日までに用意し、日中は枡に入れて神棚に飾る。枡の下には白い紙を敷く。
まいた豆から芽が出ないように、炒り豆を使うのが通例。
2)まくのは夜、家族全員がそろってから。
鬼役はあらかじめ決めておきましょう(笑)でも、鬼役なしでも豆まきはできます。
3)奥の部屋から玄関に向かって玄関を開けて「鬼は外!」と2回。
※細かく言えば、豆をまくのはその家の主またはその年の年男がまくとされますが、現在は家族の行事となっているので全員でまくのがスタンダードになっています。
4)出て行った邪気がすぐ戻らないようにすぐに扉を閉め、「福は内」と2回。
5)年の数+1粒の豆を食べる。無病息災を願うためとされ、これをやっておくと1年間風邪をひかないと言われています。
そのほかの節分行事
焼嗅(やいかがし)
鬼の嫌いな「いわしの頭」と「ひいらぎのとげ」をセットにして玄関に飾ります。
これは、鬼がひいらぎの葉に刺さって痛がり、イワシの臭いを嫌がって逃げるという迷信から来たものです。
地方によってはたまねぎやにんにく(まるでドラキュラ対策のよう・・・)、赤いトウガラシをつるすところもあるそうです。
福茶
湯飲みに塩昆布または昆布の佃煮(「よろこぶ」の意)2枚と梅干(松竹梅の梅)1個、福豆(豆まきの豆)3粒(吉数)、を入れて熱湯を注いで出来上がり。
これを飲むと1年間、「まめまめしく働ける」と言われています。
お年寄りの方で、年の数だけ食べるのは大変な方や、誤飲の危険がある方には福茶を飲めば、年の数だけ豆を食べたのと同じだけのご利益があるといわれます。
関西発・恵方巻き
関西地方では巻き寿司を1本、その年の恵方(歳徳神の位置する方向)に向かって座り、太巻きを丸かじりすると無病息災ですごせる、という言い伝えがあります。
地方によっては、目を閉じて願いを心の中で思い浮かべながら無言でまるかじりすると願いが叶う、ともいわれています。
私が昔から聞いていたのは後者のほうで、実家にいる頃は「しゃべるなよ、話しかけるなよ」というオーラ飛びまくりの中、無言で丸かじりしてました(笑)
当然、まるかじりの最中に話しかけると母にめっちゃ怒られました(^^;)
もちろん結婚してからもこの習慣は続けています。でも、無言でかじりきる!ってのもなかなか難しいですね。
2018年の恵方は「南南東」
恵方とは、「その年の歳神様がいらっしゃる方向」のこと。
その方角は毎年変わり、今年(2018年)は「南南東」です。
恵方には今年一年、歳神様がいらっしゃり、新しいことを始めるなどの時に縁起がいいそうなので、恵方巻を食べるときだけでなく、ちょっと頭の片隅に置いておくといいかもしれません。
節分の次は立春
節分の翌日である4日、豆まきが終われば二十四節気のひとつ、立春です。
暦の上ではもう春になりますね。
旧暦では立春が年の区切りとされ、暦の上ではこの日で冬が終わり、春が来たとされます。
まだまだ寒さは厳しいとはいえ、だんだと昼も長くなり、すこーしずつ暖かくなってきます。
そろそろ梅も咲き始めますね。
立春大吉
禅寺では、立春の早朝、厄除けのために「立春大吉」と書いた紙を入り口の門に貼り、厄除け祈願をするのだそうです。
ちなみになぜ、「立春大吉」なのかというと、この熟語を真ん中で切ると左右対称であるので縁起がいいとされているのです。
左右対称の文字を見た鬼が、「おっと入り口と出口を間違えちゃったぜ」と家を出て行くと言われています。(アホな鬼よ・・・)
春一番
立春を過ぎて、最初に南から吹く温かい風のことを「春一番」と言います。
世代のせいでしょうか、私はこの言葉を聞くとキャンディーズの歌を思い出してしまいます。
「もうすぐ春ですね 恋をしてみませんか」
「春一番」という言葉の意味を知ると、この歌の意味もよくわかるようになりますね(流行当時私は幼稚園児)。
でも・・・
「泣いてばかりいたって 幸せはこないから 重いコート脱いで でかけませんか」
まだコートを脱ぐのは早いかも・・・(^^;)せめて薄手のコートに替えるとか。。。
暦の上では春、といっても立春以降、春一番が吹いた後でも大雪の日が何回かあったりすることもあるので、まだまだ油断はできません。
引き続き寒さ対策を万全にしつつ、小さな春を見つける楽しみを味わいつつ、本格的な春を待ちましょうか。
管理人プロフィール
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2005年9月生まれ高3男子・2009年1月生まれ中3男子・2011年1月生まれ中1女子の3児の母。まだまだ子育て真っ最中なので教育や子育てに関する話題に関心があります。特に発達障害児の育児への関心が高いです。
Webライター+スーパーのパートで生きています。
長男出産前は大学病院のMSW(産科・小児科担当)、その前は精神病院でPSWをしていました。
その他興味関心は世界史と幕末を中心に歴史、ドラマ、映画、J-POPなどエンタメ系、季節の行事、古民家カフェ。
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