少しずつ暖かい日が増えてくると卒業、入学、進級の時期が来たなと実感します。
さて、お祝いに歴史ものの学習漫画のセットをプレゼントされる方も少なくないのではないでしょうか。
特に歴史は、漫画で理解するのが一番わかりやすいし、「ビリギャル!」でも主人公が先生に言われて読んでいたように、歴史ものの学習漫画は大学入試にも使えるぐらい重宝します。
小学校高学年やこれから中学生になるお子さんにぴったりのプレゼントにできそうです。
その「日本の歴史」ですが、ここ数年は各出版社がリニューアルした学習漫画を相次いで刊行しています。
どれがいいのか、迷ってしまいますね。
歴史好きの私は、図書館で、ではありますが、出版された学習漫画日本の歴史を数社、読み比べしています。各社イラストもきれいで、それぞれ特色もあるようです。
ここでは、各社の学習漫画のおすすめポイントとお勧めしないポイントをまとめてみようと思います。
ポイントとして重視するのは
・価格、巻数
・イラストのきれいさ
・マンガのわかりやすさ
・解説のわかりやすさや詳しさ
・近現代史の扱い
・監修の先生
とします。
イチオシは角川まんが学習シリーズ 日本の歴史
角川まんが学習シリーズ 日本の歴史 全15巻定番セット | ||||
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・価格:1冊につき864円前後。
・巻数:15巻まで。
・監修の先生:東京大学史料編纂所・山本博文先生。
一番おすすめは角川書店の「日本の歴史」です。
学習漫画にとって重要なのは「作画」だと思っています。
私が子どもの頃の学習漫画は、私が同時代に読んでいた漫画家の方々とは明らかに違う世代(それも相当前)の方や、学習漫画や学習雑誌によく描かれている漫画家さんが描かれていたのだと思いますが、当時子どもだった私にとっては受け入れがたい画風だったんですね。コマ割りも、マンガ草創期か?と思うような描き方で。
ストーリーも、ただ事象を「マンガにしてわかりやすくしましたよ~」な感じの、正直つまらない展開だったんですよね。
それがこの、角川のシリーズをはじめ、最近の歴史ものの学習まんがは作画もキレイでマンガの表現も臨場感があるので、読みやすくなったな~と思います。
ま、大人が読んだ感想なので、今どきの子どもにとってはこの作画も古いと感じているかもしれないですが、マンガ表現は今風に近づいている分、子どもに読んでもらいやすくなったと思います。
そこで、角川版の学習まんがですが。
表紙のイラストに「DEATH NOTE」の小畑健さんや、「ケロロ軍曹」の吉崎観音さんなどを起用されていて(↑上の画像は小畑健さんですね)表紙でまず目を引きます。
ただ残念ながら中身のマンガは違う人が描かれています。
でも、流れがわかりやすい。
これまでによくあった学習マンガはマンガが2/3、解説に1/3で、けっこう重要なことがマンガではなく巻末の解説を読まないと載っていなかったりということがよくありました。
あと、やたら欄外の用語解説が多かったり。
でも、角川シリーズは欄外の解説も最小限、今までなら巻末の資料扱いにされていたような文化史の内容も、うまいぐあいに本編の流れに乗って、マンガの中で解説されているんです。
マンガを読むリズムに乗って大切なことが描かれているのは、学習マンガにとってとっても大事なこと。このあたりは角川シリーズがナイスだと思います。
とはいえ、解説はやはり大事。いくら頑張ってもマンガで全部カバーするのは難しいようで。
角川シリーズは巻頭と巻末にカラー解説が数ページずつついています。それも写真とイラストをふんだんに使って。がっつり文章だとなかなか読まないお子さんにも多少、とっつきやすくなっています。
あと、今後重要視される方向の近現代史についてですが、幕末の巻は11巻なので約1/3が近現代史になっています。近代以降は国際情勢なども出てきて理解が難しくなってきますが、擬人化した国々がコミカルに描かれて、わかりやすくなっています。
内容も結構高度なので、大学受験まで使えるのではないでしょうか。
もうひとつのおすすめは集英社の新版 学習まんが 日本の歴史
新版 学習まんが 日本の歴史 発刊記念特別定価 全20巻セット (全面新版 学習漫画 日本の歴史) | ||||
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・価格:1冊につき1,080円
・巻数:20巻
・監修の先生:それぞれの時代の専門家の先生が監修をしています。とりまとめをされた総合アドバイザーに予備校講師の野島博之先生。
こちらも表紙イラストに著名な漫画家さんが名を連ねています。
集英社ということもあり、「少年ジャンプ」で見覚えのある漫画家さんたちです。上の画像は「ジョジョの奇妙な冒険」でおなじみの荒木 飛呂彦先生ですね。
角川と同様、こちらも残念ながら、中のマンガは別の方です。
20巻という巻数の余裕からか、歴史の流れがかなり丁寧に描かれています。
私が勝手に思っているのですが、歴史関係の学習まんがで、本当にわかりやすく描かれているかどうかを見極めるのには、幕末の巻を読むのがポイントではないかと思っています。ただ、巻によって描かれている漫画家さんもいろいろなので、一概には言えない部分もあるかもしれませんが、幕末のさまざまな思惑が同時進行している時代をいかに整理して描いているかは見極めのポイントになります。
集英社の幕末の巻は12巻。丁寧にわかりやすく描かれていたので、使える学習マンガだと思います。
・・・と書いていますが、私自身も今、このシリーズを図書館で少しずつ借りて読んでいる最中です。図書館でもずっと貸し出し中で、今までに読めたのが10巻と12巻からあとの巻だけなんですね。
だから古代・中世の描き方がまだチェックできていません。律令制や荘園制の説明がどのように描かれているかは今の段階ではわかりませんが、少なくとも近現代に割いている巻数も多く、わかりやすく描かれているので、おすすめしても大丈夫と思っています。
解説も巻末についている用語集がかゆいところに手が届いていて、使えます。
キレイな今どき画風の学習漫画の始まり?学研まんがNEW日本の歴史
学研まんがNEW日本の歴史 別巻つき13冊セット | ||||
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・価格:1冊につき1,026円
・巻数:12巻+別巻
・監修の先生:東京学芸大学教授・大石学先生
図書館で見つけて「最近の学習マンガってこんなに絵がきれいになったのか!」と驚いたのがこのシリーズでした。
ただし、読んだのは4年前の2013年。
きっと、今どきの子どもに手に取ってもらえるような学習マンガにしようと企画された割と初めのほうのシリーズかもしれません。
当時はこれがベストと思っていましたが、気になる点がいくつか。
マンガの描き方は、マンガ慣れした子供たちが受け入れやすそうなドラマティックな描き方ですが。。。
最近読み返してみて気づきました。
気になったのは、幕末です。9巻がそれにあたりますが、たぶんこれ、幕末についての予備知識のない子が読んでも、理解しづらいと思います。肝心な記述がなかったり、次期将軍を慶喜か家茂か?の争いの部分と、攘夷か開国か?の話がマンガできちんと整理されていなくて、「いったいこれ、何の争い?」と思ってしまったんですよね。
たまたまこの巻とテーマが読みにくいだけかもしれないのですが、正直、9巻は私の中ではアウトでした。
でも、これまであった学習漫画のように、欄外解説が多い&巻末の解説も多いという構成です。でも、読んでもらうお子さんにがっつり学んでもらいたいとお考えの方にとっては、欄外と巻末の解説が多いほうがいいということもありそうですね。
http://fruits-nyanko.com/jiritsu/history130902/
↑これがベストと思っていた時のレビュー^^;
朝日小学生新聞の学習まんが 日本の歴史きのうのあしたは……
朝日小学生新聞の学習まんが 日本の歴史きのうのあしたは……(7巻セット) | ||||
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朝日小学生新聞に連載されていたマンガです。
・価格:1冊につき1,296円
・巻数:7巻
1冊のお値段がけっこうしますが、7巻完結なのでプレゼントには手ごろですね。
こちらは特に古代・中世の土地の制度などの解説が秀逸です。「墾田永年私財法」などの説明がわかりやすい。
ただ、絵が古いことと、近代が明治以降はしょりまくりなのが残念ですが、小学生にプレゼントするならこれぐらいのほうが、学校で学ぶことと合致するのでいいかもしれませんね。
日本人物史れは歴史のれ(4巻セット) (朝日小学生新聞の学習まんが) | ||||
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私はこちらの人物史のほうが、ちょうど購読中に連載されていたのでなじみです。
セットでプレゼントもいいかもしれません。
「ビリギャル!」坪田先生おすすめは小学館学習まんが少年少女日本の歴史
学習まんが少年少女日本の歴史(23冊セット) | ||||
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・価格:1冊につき896円
・巻数:23巻
・監修:各時代の専門家の先生が監修
「ビリギャル」で主人公の女子高生がこのシリーズを読んで勉強していました。
坪田先生も、さまざまな学習漫画のなかでも一番受験に使えるのはこのシリーズだと言っています。
大学受験まで使える学習漫画を!ということであればおすすめですが、このシリーズが出たのが1998年。
各出版社が相次いで新版を出しているのでひょっとしたら小学館も近いうちリニューアルするかもしれません。
もし、リニューアルするなら、坪田先生がイチオシしている良さを生かしたシリーズで出してほしいなぁと思うところです。
ちなみに私は未読です。図書館にあるのですが、絵柄が私の子どもの頃の学習漫画のままだったので手を出すのをためらっています。
受験のため!と思ったら読めそうですが、確固たる目的がなかったらなかなか手に取りにくいだろうなぁという気がします。
実は小学館、今風の学習漫画シリーズを刊行していました。
小学館版 学習まんが はじめての日本の歴史 全15巻セット | ||||
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ただ、先ほどのシリーズに比べ、すこし下の学年向けに簡単な記述になっているそうです。読んでいないのでわかりませんが。
大学受験まで使えるシリーズかどうか・・・それもわかりません。
一度読んでみたいのですが・・・。
以上、主要な学習漫画「日本の歴史」についてレビューしてみました。
もし、学習漫画をお祝いなどでプレゼントしようとお考えならば、参考にしていただけると嬉しいです。
次回は世界史の学習漫画ついて紹介します。世界史は今のところ集英社と学研しかないのが残念。
学習漫画を比較するサイト
管理人プロフィール
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2005年9月生まれ高3男子・2009年1月生まれ中3男子・2011年1月生まれ中1女子の3児の母。まだまだ子育て真っ最中なので教育や子育てに関する話題に関心があります。特に発達障害児の育児への関心が高いです。
Webライター+スーパーのパートで生きています。
長男出産前は大学病院のMSW(産科・小児科担当)、その前は精神病院でPSWをしていました。
その他興味関心は世界史と幕末を中心に歴史、ドラマ、映画、J-POPなどエンタメ系、季節の行事、古民家カフェ。
◆さらに詳しいプロフィールと家族については「管理人プロフィール」「家族について」に。
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