
香芝市今泉にある志都美神社では、節分祭や9月に行われる宵宮祭で巫女さんが神楽舞を舞い、神様に奉納します。
舞を奉納する巫女さんは、志都美神社を氏神とする地域に住む小中学生の女子がつとめています。この神社では代々、氏子さんたちの女子を巫女として育成しているとのこと。

昨年のある日私は、志都美神社さんの公式Instagramでこのことを知り、興味を持ちました。
ちょうど夏休みと言うことで、巫女さんたちの舞の練習風景を見学させていただくことができました。
今回は、志都美神社での巫女育成について紹介します。
志都美神社とは 地域を守ってきた鎮守の神

志都美神社は、奈良県香芝市北部の志都美地区にある鎮守の神です。
鎮守の神とは、その地域の守り神のこと。
この神社は創建後1200年を超え、地域の守り神として古くから伝えられてきました。
特に疫病から村を守ったエピソードが知られています。
江戸末期から明治にかけてコレラが大流行した頃、コレラの蔓延を防ぐため氏子達が神社に祈願したところ、村内でコレラが発生せずに済んだという御利益があったとのこと。
そのため、特に疫病に関するご利益があると伝えられています。
70年以上続く巫女育成の取り組み
志都美神社のもうひとつの特色は、今回のテーマとなる「巫女の育成」です。

神社では昭和27年より氏子の小中学生女子たちを育成し、毎年神社で行われる行事にて神楽舞を奉納してきました。
これまで巫女を務めた女子たちは約90名、現在は中学生・高校生8名が巫女を務めているとのこと(2025年7月現在)。
今回、神社の方にお伺いして知ったのですが、巫女さんの育成は志都美神社が特別に行っているわけではなく、各神社でそれぞれの氏子さんの女子を育成しているそうです。皆さんのお住いの氏神様の神社でも巫女の育成をされている神社があるかもしれません。
ただ、少子化の影響などで継続が難しい神社も少なくないとのこと。
そんななかで、45代目まで途切れなく巫女を育成し続けてこられたことに敬意を表さずにはいられません。
とはいえ、こちらの神社でも現在、巫女さんたちの学年が上がったりなどで、現在募集中とのことです。
クラウドファンディングで舞具や装束を整備

また、こちらの神社では2022年にクラウドファウンディング「地域の守り神『志都美神社』の伝統行事、巫女神楽とその舞台を未来に!」で支援を募ったところ、支援総額は3,594,500円に上り、巫女さんたちの舞具・装束の整備等に活用されたそうです。
→クラウドファウンディングのプロジェクトについての詳細についてはこちら
→プロジェクト終了報告はこちら
奉納舞は宵宮祭・節分祭で披露

志都美神社では9月に行われる宵宮祭、2月に行われる節分祭にて舞を奉納します。
また、最近は近隣神社の行事でも神楽舞を舞うことがあるそうです。
これらの神楽舞のお稽古を年3〜4回、学校の長期の休みなどを利用しながら行っているとのこと。
毎年夏休みには春日大社で行われる神楽舞講習会(毎年8月6日〜10日)に参加しています。
奈良県内で活動されている巫女さんは「春日大社での舞の奉納」を大きな目標としており、県内各神社の巫女さんたちの中から4名が選抜され、舞を奉納することとなっているそうです。
そのほか、年始の授与所御奉仕も行われています。
神様によろこんでもらうために舞う使命感
巫女さんたちは「神様によろこんでもらうために、拝殿という神聖な場所で舞を舞う」ことに使命感を持っています。拝殿で舞う意味や、奉納舞は巫女という特別な役割を担う者にしかできないことだと教えられ、理解しているからです。
練習風景を見学させてもらいました
2025年の夏休み最初の日、今泉にある畑の浦集会場で舞の練習をされている様子を見学させていただきました。この日は橿原神宮の方が舞を指導していました。
奉納のためにお稽古をする舞は、浦安舞(うらやすのまい・4人舞・2人舞)と朝日舞(あさひのまい・4人舞)です。
この日は6名の巫女さんが練習に参加。

指導されている内容をお伺いしていると、「ここの関節の動かし方をこうすると、なめらかにこの動きができる」といったような理論的な説明で、わかりやすく感じました。
でも「小学生を対象とした場合はまた違った説明をします」とのこと。
講師の先生も対象者の年齢によって伝え方を変えているそうです。

真剣な表情で練習している子たちも、休憩時間になるとみんなでお菓子を分け合って雑談や水分補給をしています。そんな時の彼女たちは、年相応の普通の女の子たちの表情でした。
女子の部活の休憩時間みたいな感じです。
巫女に関心のあるお子さんを募集
志都美神社では、神社近くにお住いの小学生で、巫女のおつとめに関心を持ち、一緒に取り組んでみたいという子どもたちを募集しています。体験も可。
2025年には9月の宵宮祭の際に体験会を実施されたそうです。
また、志都美神社の近くでない方で、巫女のおつとめに関心のある方はぜひ一度、近隣の神社にお問い合わせを。少人数で活動を始めている神社や、氏子さんに希望者がいれば育成を考える神社がお近くにあるかもしれません。
志都美神社から広がる未来

神事に関心を持ち、奉仕活動を続けてこられた結果、高校卒業後に大神神社や伊勢神宮に巫女として奉仕されているOGさんもおられるそうです。
私は志都美神社をきっかけにこのような取り組みについて知ることができました。
もう少し早く知っていれば娘に勧めていたかもしれませんし、娘の新しい興味・関心分野ができていたかもしれません。
9月5日には宵宮祭

志都美神社では2月の節分祭と、9月の宵宮祭が年中行事の中でも大きな行事となっています。
毎年これらの祭りでは、夜店が出たり、巫女さんの舞の奉納が執り行われています。
宵宮祭
📆2026年9月5日(土)お渡り行事が19:00~
📍志都美神社(香芝市今泉582)
宵宮祭は、例年9月の第一土曜に執り行われる志都美神社の秋の行事です。
夕方ごろから夜店が出、神事であるお渡り行事が19時半より行われます。
お渡り行事では志都美神社所属の巫女さんたちが奉納舞(おなじみの浦安舞と、志都美神社伝統の朝日舞)を舞います。
彼女たちが夏休みを中心に年間通して、神様によろこんでもらうために熱心に稽古している舞もぜひ神事とともに見届けてください。
この記事は2025年8月30日にyahoo!ニュースエキスパートの地域ニュースとして掲載された記事をもとに、加筆・修正したものです。
神社詳細
志都美神社
→Facebook
→Instagram
✨御祭神:天児屋根命 中筒男命 誉田別命
📍所在地:香芝市今泉582(JR志都美駅より徒歩10分)
📞電話番号:0745-77-5069
📠090-7099-1519
志都美神社の歴史文化資源としての解説は奈良県公式サイトに記載があります。

管理人プロフィール
-
2005年9月生まれ男子(20代前半・我が家から独立)・2009年1月生まれ高3男子・2011年1月生まれ高1女子の3人の母。
Webライター+スーパーのパートで生きています。
興味関心は世界史と幕末を中心に歴史、マンガ、アニメ、J-POPなどエンタメ系、季節の行事、古民家カフェ、その他さまざまなレトロなもの。
◆当メディアはAmazonのアソシエイトとして、適格販売により収入を得ています。
◆ほかの運営サイト
・ゼロからラグビーを知るサイト
・歴史系学習漫画比較サイト
最新の投稿
歳時記・年中行事と文化2026年9月1日月夜は空を見上げる余裕を🌒9月の生活歳時記
奈良中部(橿原・大和高田・桜井・磯城郡・高取町・明日香村)2026年8月29日おふさ観音風鈴まつりにて五感で涼やか気分🎐
伝統文化と行事2026年8月26日香芝市・志都美神社の巫女育成 舞を通じて受け継がれる伝統
奈良県内のイベント情報2026年8月21日2026年9月の行事・イベント【随時更新】


コメント