学研『学研まんがNEW世界の歴史』は表紙絵に見とれる

今どきのイラストで学習まんが日本の歴史を刊行した学研が、今度は世界の歴史を刊行しました。

これは7巻。

フランス革命と産業革命の時代が描かれています。なので表紙はマリー=アントワネットですね。

『学研まんがNEW世界の歴史』シリーズのデータ

・巻数：12巻＋別巻2巻

・価格：1冊につき1,320円。Kindle版は990円。

・監修の先生：近藤二郎氏（早稲田大学文学学術院教授・早稲田大学エジプト学研究所所長・2016年現在）

特徴①：イラストがキレイ

これまた表紙イラストも中のマンガも絵がきれい。

今どきのマンガとまではいいませんが、今のマンガのタッチに少しでも近い絵のほうが、子どもは読みやすいので、とっつきやすさからいうと、学研シリーズはおすすめです。

特徴②：近現代とそれ以前の比重がほぼ半々

今の歴史学習は、近現代に重点が置かれるようになっているという現状を踏まえ、近年刊行されている歴史系学習まんがも近現代の比重が大きくなっています。

この「世界の歴史」も例にもれず近現代をじっくり丁寧に描いています。

世界史の近代はいつからか？は正確には見解がさまざまですが、大体は市民革命が始まったころぐらいとみなしています。

この「世界の歴史」は全12巻。うち市民革命が描かれている巻が7巻。ちょうど真ん中。

近代以前と以降がほぼ半々で割り振りがされているみたいです。

特徴③：右開き＆セリフが横書きのマンガ

しかしこのシリーズには、驚くべき特徴が。

通常日本のマンガでは見かけない・・・と思うのですが。

なんと、右開き＆セリフが横書きなのです。

これが慣れないうちは読みにくい。慣れればそれなりに読めるんですが、最初は戸惑います。

解説の書き方は？

巻末カラー解説

学研は「日本の歴史」もそうなのですが、巻末のカラー解説にかなりページを割いています。

一冊まるまるマンガで楽しみたい！というお子さんはちょっとがっかりするかもしれませんが、この解説はマンガとセットで読むとものすごくわかりやすい。

学研の「世界の歴史」は歴史の動きを一人の重要人物の視点で描くというやり方で進めているので、マンガが読みやすい反面、マンガだけでは重要事項の取りこぼしがあります。

それを補完してくれるのが巻末の解説なので、学ぶならしっかり読んでもらいましょう。

また、実際じっくり世界史を学ぶ学年（高校？）になった時にきっと役立ちます。

まとめ年表

年表も秀逸。

国ごとに年表が書かれており、複数の国にまたがって起こる出来事（戦争や講和会議など）はビジュアルに訴える形で整理されているので理解しやすいかと思います。

地図

世界史に地図は欠かせません。

その時代の地図がどうなっているか、カラーでわかりやすく描かれています。

ありがたいのは、その時代のメインの地方だけを掲載しているのではない、ということ。

（例えば、18世紀はヨーロッパが中心になりがちですが、中央アジア方面の地図も掲載されているということです）

おすすめ度

現状、最近の研究結果も含めてマンガ化されている「世界の歴史」が学研しかありません。

対抗馬となりうる集英社も2002年刊行とすでに古くなっています。

新しさから言えば学研がおススメできそうですが・・・近年の学習漫画ブームから言えば集英社か小学館リニューアル出版する可能性もあります。

>>追記（2019/3/1）小学館の「世界の歴史」が2018年11月に刊行されました。
レビューはこちら→山川出版社とタッグを組んだ『小学館版学習まんが 世界の歴史』

まとめ買いするなら

ご家庭で少しずつ買うなら

学習まんが 1 先史時代と古代オリエント (学研まんが NEW世界の歴史)
学習まんが 2 ギリシア・ローマと地中海世界 (学研まんが NEW世界の歴史)
学習まんが 3 アジアの古代文明と東アジア世界の成立 (学研まんが NEW世界の歴史)
学習まんが 4 イスラーム世界とヨーロッパ世界の成立 (学研まんが NEW世界の歴史)
学習まんが 5 十字軍とモンゴル帝国 (学研まんが NEW世界の歴史)

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別巻に「学習まんが 別巻 人物学習事典 (学研まんがNEW世界の歴史)」と「学習まんが 別巻 世界遺産学習事典 (学研まんがNEW世界の歴史)」もあります。