妊娠高血圧症候群とは |
|
|
妊娠中に起こる特有の病気の一つです。妊娠により血管内皮障害と血管がぎゅっと締まる症状が起こる病気であり、妊婦の約5〜10%に起こる症状です。
妊娠高血圧症候群であると診断する基準として
1)高血圧症状が出現している(最高血圧が140mg以上、最低血圧が90mg以上)
2)1)に加えて尿タンパクが陽性である。
がそろうとこの疾患が疑われます。
この病気は発症すると、赤ちゃんの発育遅延や未熟児出産や早産、産後にお母さんが腎不全を起こしたり等・・・赤ちゃんにとってもお母さんにとってもおそろしい病気で、重症化すると母子ともに命にかかわります。
|
|
自覚症状 |
|
|
|
■むくみと体重増加 |
|
|
むくみが強いとき、1週間で500g以上体重が増えたときは早めに受診を。
|
|
|
他覚症状 |
|
|
|
■高血圧(最高血圧140mg以上、最低血圧90mg以上) |
|
|
妊娠中は血液循環量が増えますが血管の抵抗が下がるために低血圧気味になるのが普通。
高くなるのは注意が必要です。血圧が高い状態が続くと血液の循環が悪くなり、妊娠高血圧症候群以上に心配な疾患も増えてくるこちになります。
- 目がちかちかしたり、頭痛を起こしたりした時は、急に血圧が上がった可能性があります。
|
|
■タンパク尿が続けて出る |
|
|
- 血液中の老廃物をろ過して尿を作る腎臓の働きに障害が起きると、身体に必要なタンパクまで尿中に排出されるようになります。
長時間歩いたり、立ち続けたりして疲れると一時的に尿タンパクが出てくることがありますので、1〜2回尿タンパクが陽性だったからといってすぐに妊娠高血圧症候群の疑いとまでいくことは少ないです。
また、外陰部の汚れが尿中に入ってタンパクが出るケースもあるので、尿検査の際には出始めの尿を捨て、中間尿を採るようにしましょう。
続けてタンパクがでるようなら、妊娠高血圧症候群の疑いが強くなります。高血圧症状とともに出たなら、さらに腎機能や肝機能などの精密検査をし、診断と重症度をみることになります。
|
|
|
重症化するとこんな症状が出る可能性も |
|
|
妊娠20週以降に初めてけいれん発作を起こし、てんかんや二次けいれんが否定されるもの。けいれん発作の起こった時期により、妊娠子癇・分娩子癇・産褥子癇と分けられます。
ひどい高血圧の持病を持つ方も発症する疾患です。奈良県の妊婦たらいまわし事件で亡くなられた妊婦さんもこれによる死亡だったと記憶しています。発症すると命にかかわりますし、助かっても障害を残してしまうことがあります。
赤ちゃんがお腹にいる状態で突然、胎盤がお腹から離れてしまう状態。最初は少量の出血から始まり、お腹がカチンカチンに硬くなり、板のようになります。後述するDICを起こすと命にかかわります。
このような状態になれば、早急に帝王切開をしてでもお腹の赤ちゃんを取り出さないと危険になります。
血管内で血液の凝固作用が進んで、血液内に小さな血栓がたくさんできてしまうために、凝固因子が血栓に使われ、血液が固まりにくくなる病気。出血しやすくなり、ショックを起こし、時には死亡することもあります。
溶血(貧血)、肝機能障害、血小板減少を伴う症候群。妊娠1万例に1例の割合でみられ、25歳以上、経産婦、前回の妊娠経過に異常がある場合にかかりやすくなります。
症状は、全身倦怠感、右上腹部痛み、頭痛、吐き気、顔面・手指の腫れなど。妊娠高血圧症候群の症状もあらわれます。
早期発見できないと母子ともに死亡してしまう可能性があるので、なるべく早く診断できることがとても大事になります。
|
|
なってしまったら |
|
|
安静にして腎臓への負担を減らすことが一番。そして低カロリー減塩食を心がける。
(安静の基準は主治医によく聞いておくようにしましょう)
午後や夕方は疲れが溜まりやすくなるので、なるべく横になるように。
治療の基本は、血圧のコントロールを中心に、赤ちゃんの胎内環境を保つ方向で治療が行なわれます。
食事については塩分制限・カロリー制限などの食事療法をおこないます。
症状によって降圧剤、低用量アスピリン、漢方薬などが処方されることがあります。
入院が必要になります。また、胎児の発育が悪い時は、早めに出産となることも。
|
|