言葉の遅れの原因を理解するには感覚統合を知るべし

【PR】この記事はアフィリエイト・プログラムまたはGoogle Adsenseを貼っており、広告収益を得ています。

前回、次男みにぐりの状況について書いた記事に登場した「感覚統合」。

体操教室でのみにぐり

あまり聞きなれない言葉なので、今回は「感覚統合」について書くことにします。

「脳に入ってくる感覚」もよく知られている五感に加えて違う感覚の話もあるようです。

スポンサーリンク

感覚統合って何だ!?

みにぐりが今月から、リハビリセンターで感覚統合療法を開始しました。

その際に頂いた資料をみて、勉強させていただきました。

感覚統合とは

感覚統合とは、「脳に入ってくるいろいろな感覚を上手く整理したりまとめたりすること」です。

私たちは、無意識のうちにいろいろな感覚を脳に取り入れています。

そしてそれをうまく整理していることで日常生活の中で道具を使ったり、人とコミュニケーションをとったりしています。これは感覚統合がうまくいっているおかげなのです。

人間の感覚にはいろいろあります。

・視覚・・・目で感じる感覚。形や色を認識する。

・聴覚・・・耳で感じる感覚。ここで感じた情報を脳に伝え、必要な音か騒音か聞き分ける。

・嗅覚・・・鼻で感じる感覚。ニオイ。

・味覚・・・舌で感じる感覚。味。

・触覚・・・皮膚で感じる感覚。危険を察知したり、触って何かを確かめたりと言ったこと。痛みや温度、圧迫など。

上記が五感と言われますが、感覚統合ではこれら以外に普段あまり聞きなれないような以下の2つの感覚が重要になります。

固有受容覚・・・筋肉や腱、関節などで感じる感覚。手足の位置や運動の様子、物の重さなどの情報を脳に伝えて姿勢を保持したり、身体をスムーズに動かすために働きます。
私たちは普段、わざわざ鏡を見に行かなくても手を上げたらだいたい体のどの辺に上げたらわかりますよね。それはこの感覚が働いているからなのです。

前庭感覚(平衡感覚)・・・耳の奥の前庭器官で感じる感覚。頭の傾きや動き、スピード、重力を脳に伝えます。目の動きに関連する働きもあります。
ちなみにここが未熟だと、えんえんクルクル回ってたり、逆に乗り物に酔いやすかったりするようです。←ちなみにみにぐりは乗り物酔いしやすいです。

これらの感覚は成長とともにお互いが関連しあうことによって自分の身体がどうなっているのかを知るようになります。

そして、言葉もこの感覚統合がうまくいっているかどうかが重要になります。

さらに、言葉の力が発達することによってその上の段階になる集中力や組織力、自尊心、自己制御、自信、学習能力、抽象思考や論理能力などが育っていきます。

感覚統合の理屈を知れば、「言葉の遅れは言語訓練で治せるものではない」ということがよくわかります。

発語の前段階での感覚が育って関連づいて初めて言葉を話したり、会話ができたりするものだそうです。

感覚統合がうまくいっていない子にありがちなこと

・周りの刺激にすぐ反応してしまう⇒注意・集中ができない⇒落ち着きがない。

・触られることを極端に嫌がる。

・特定の音が嫌い(ドライヤーや泣き声など)←「黒板をひっかく音」など多くの人が嫌がる音は気にしなくてよい。

・体の痛みに気づかない。

・とび箱や縄跳び、ボール投げなどの大きく体を動かすような運動が苦手。

・紐結びやお箸の使い方などの細かな運動が苦手。

・言葉が出ない。

・話す言葉に助詞の間違いがある。

・友達とうまく遊べない。

・ルールの理解ができない。

・待てない、すぐに起こるなどの衝動的な行動をする。

・こだわりが強い。

・気分の切り替えができない。

そして、いろいろな活動に対して失敗が多くなると、「こんなこともできないの?」と言われたり、「怠けている」「甘えている」と言われることも多くあります。

そんなことが繰り返されることによって子ども自身が自信がなくなり、消極的になったり投げやりになったりといった二次的な問題がでてきます。

みにぐりの場合は

・集中力がない

・言葉の遅れや間違った使い方をしてしまう(「こっちに来て~」を「こっちに行って~」って言ったりします)

・こだわりの強さ

・待てない

・我慢がきかない

などの問題があります。

あと9回、感覚統合療法に通いますが、同じく言葉が遅め傾向の末娘まめにゃんと共に、おうちでも感覚統合がすすむような遊びをしてあげようと思います。

感覚統合を意識した遊びや学習に関する本

ということで図書館でこんな本を借りてきました。

お家でできる遊びとそうでない遊びが混在してはいますが、おもちゃ作りから楽しめる本になっています。

そしてこの本の感覚統合についての説明も分かりやすいです。

同じ、落ち着きのない子でも原因(発達のでこぼこ部分の違い)によって向いている遊びが違うということがわかりやすく解説されていました。

この本の学習バージョンもあるようですね。

参考資料

この記事は奈良県総合リハビリテーションセンターでいただいた資料を参考に書きました。

また、この資料はこれらを参考にしているそうです。

・「みんなの感覚統合~その理論と実践」佐藤剛、土田玲子、小野昭男編 パシフィックサプライ株式会社【ネット書店では見つからず】

・「感覚統合Q&A 改訂第2版―子どもの理解と援助のために」佐藤剛監修、永井洋一、浜田昌義編集 協同医書出版社

日本感覚統合学会

その他読んでみたい感覚統合関連の本

・「子どもに優しくなれる感覚統合: 子どもの見方・発達の捉え方
・「でこぼこした発達の子どもたち(あんしん子育てすこやか保育ライブラリー special) (発達障害・感覚統合障害を理解し、長所を伸ばすサポートの方法)

最後にお願い

上記の「感覚統合がうまくいっていない子にありがちなこと」でひとつふたつあてはまることはあるかもしれません。

でも、あまりに極端な例でない限りは気にすることはありませんので心配しないでください。

ただ、日常生活に支障があるような感じだったり、あれもこれもドンピシャに当てはまるかも…といった状況で、さらに心配であれば、地域の保健センターで相談または、発達障害や障害児に詳しい小児科の先生の診察を受けてみることをおすすめします。

幼稚園入園前までがオススメかな。入園前に幼稚園でお子さんの状況を相談できる材料をそろえるという意味合いで。

コメント