先日から おすすめ歴史漫画の記事で紹介していたシリーズを、先日やっと最後まで読めたのであらためて紹介したいと思います。
とはいえ、読んだのは私で、子どもたちではないのですが。
きのうのあしたは・・・レビュー
これは朝日小学生新聞に連載されていた歴史漫画をシリーズにまとめたものです。
全7巻と、一般的に販売されている日本史系の学習漫画に比べて巻数が少なく、セット価格も1万円を切るのでお祝いなどには向いているのかもしれません。
このシリーズは、本が大好きな主人公の史記(ふみき)くんが、クラスメイトの女の子といっしょに歴史の旅に出るプログラムを作っている学者の叔母さんに歴史のたびに出発させられるというお話から入ります。
なので、従来の学習漫画だとその時代の人がリアルタイムに生きている時のお話をストーリー立てして漫画になっていますが、こちらは現代の子どもたちが旅に出ているという設定で、その時代のメインの人物と直接お話しするなどして時代説明がなされていきます。
登場する歴史上の人物によって、キレキャラがいたり、優しいオジサンキャラがいたり、まぁそのへんはマンガですのでアレなんですが、お子さんに読みやすくスッと入ってきやすいストーリーになっています。
時々、○○さんが死んで数年後に飛んで行って、別の人物に、亡くなった○○さんのお話を聞く、と言ったお話の時もあります。
歴史用語の解説のわかりやすさはピカ1
また、私がこのシリーズにおいて特筆したいのは、歴史用語の解説のわかりやすさ。
「墾田永年私財法」「太閤検地」などの当時の為政者が行った政策の単語って教科書を読んだだけではわかりにくかったりします。
そこを先生にじっくり解説してもらいたいのですが、上手な先生もいれば、ヘタな先生もいますしね。。。
あげく、「ここはテストに出るから覚えておいてね。漢字も書けるようになっといてね」で終わっちゃうんですよね。
私は常々、歴史をおもしろく感じるには、流れを理解することとその時代の空気感を感じられることだと思うのですが、そのためには当時の制度のことをしっかり理解することが大事と思います。
「この身分の人はいいかもしれないけれど、この身分の人にとってはすごくイヤだっただろうな」と思えること、それが大事だと思うのです。
このシリーズは、そういう単語の意味をすごくわかりやすく解説してくれているのがいいところです。
歴史用語の解説がわかりやすい
気になるのは近代以降
ただ…
近代の明治維新以降が6巻の後半と7巻でほとんど駆け足で終わってしまっているのがすごく残念です。
さすがに1冊で自由民権運動から戦後の復興と低成長時代へと向かったところなどをまとめるのは無理があるでしょう。
たぶんこのへんは連載の関係もあったのかもしれませんが、「この辺は自分で調べてみましょう」ではしょられている部分があまりにも多いような気がします。
小学生の歴史の範囲ならばそれでもいいのかもしれませんが、中学・高校(使うかな?)と長く活用するには不向きかもしれません。
近代以降の内容が薄いのが懸念
むしろ、中学入試の対策として使うような感覚で読むのがあっているのかもしれませんね。
重要単語や人物の漢字の練習ページが用意されているというのもあるしね。
あと、気になるマンガの画風ですが、今ドキのマンガという感じではありません。
でも、線もタッチもすっきりしていてシンプルで、余計な装飾がない分、読みやすいと思います。
画風はシンプルで読みやすい
こういうお子さんにオススメ
・中学入試対策として読みたい
・歴史の用語が苦手
・ごちゃごちゃしている画風のマンガは気が散る
・近現代の歴史より古代から近世の歴史のほうが苦手
ご検討されている親御さんの参考になるとウレシイです。
現在は同じ作者のつぼいこうさんで「ヒカリとあかり」という歴史人物伝になるようなマンガが連載されています。まだ始まったばかりなので今から読むなら十分間に合いますよ!
学習漫画を比較するなら
各出版社から出版している学習漫画のレビューを載せています。
このサイトにもあらためて「きのうのあしたは・・・」をレビューしています。
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