前回取り上げた「男の子の一生を決める 0歳から6歳までの育て方」と内容がかぶる部分もありますが、こちらもオススメしたい本のひとつ。
男の子の育て方~「結婚力」「学力」「仕事力」
著者の諸富氏は教育カウンセラーで、いわば心理畑の人です。
これまでに何冊か、心理系の方が書いた育児や教育の本を読みましたがどれも、「叱りすぎるとこう育つ」的な脅迫っぽい内容で、「叱らない」「甘えさせよ」の大合唱。
子どもしか見ていなくて、親やその周りの環境を無視した内容も多く、読んでいてイライラすることが多くありました。
が、諸富氏の本は唯一、「手元に置いて参考にしたい」と思えました。
子どもだけしか見ていない他の心理系育児書とちがって、親のフォローをしてくれているのがウレシイです。
なので、読んでいてホッとします。
本書で著者は
3歳までは親だけで子育てしない
と提唱していますが、これは、「親がストレスをためると子どもによくない」「一人で悩んだらダメ」ということを言ったうえでのこと。
心理系のかたでこういうことを書いてくれている人はこれまでは見かけなかったように思います(教育評論家や保育士などがベースで本を書かれた方には時々いましたが)。
気になったところを抜粋
- しつけの基本は「自信」と「ふんばる力」6歳まではラブラブでいい。
- 7歳~12歳でしつけをきちんとおこなうべし。
またそのころの親の態度が、子どもの困難を乗り越える力を育てる。 - 責任感を育てる…親が何でも肩代りしない。子どもに自分の失敗の責任を取らせる。解決法を自分で考えさせる。小さいうちから少しずつ小さい挫折を経験させる。
- 叱り方のポイント…人格・存在を否定しない。なんで叱られているのか説明する。次叱られないようにどうしたらいいか教える。
↑これけっこうどの本でも言われますがなかなか実践が難しい・・・。
さらに大枠で以下をまとめました。
「お手伝い」でフットワーク力を育てる
女の子だけでなく、当然男の子にもお手伝いは重要です。
将来、自立する時にできないことが多いと困るという実利的な問題ももちろんありますが、人間的な成長においても大事なことがいっぱいとのこと。
- お手伝いによってちょこまか動く習慣をつける。
- 役に立つ喜びを体験させる。
- 困難に立ち向かう力を身に着ける。
また、男の子は仲間のために働くときに脳が活性化するのでチームのために働くことが好きなようにできているのだそうです。そこを上手に利用するといいのだとか。
ひょっとしたら、「ワンピース」とかジャンプ系のマンガを読ませてチームのために役立とうという意欲を育てて、お手伝いに駆り出すという方法ってアリかも★
コミュニケ―ション力を育てる
親が話をしっかり聞いてあげて会話力を育てることが大事。
- 子どもより多く話さない
- その場ですぐ聞く
- 丁寧に伝え返す
- うなずく
相手の立場に立ちながらも、自分の立場を伝えていくコミュニケーションの取り方をみにつける。
アサーション・トレーニングと言うそうです。
たとえば相手に嫌なことをされたときに
「こういうことをされて、自分はこう思ったので、やめてほしい」
と言えるようになるということ。
ケンカするよりずっとスムーズにいくはず。
遊びで育つ
このへんについては先日より言いたいことを何度か記事にしました。
さらに、13歳以降の男の子の接し方まで書いてくれているので、実は思春期にも参考になる本です。
一番のストライクゾーンは小学生かな。それも4年生ぐらいまで。
タイトルには12歳までと書いてますが、高学年になるとむしろこの本の後半にある思春期編のほうが参考になるかもしれません。
しかし、この本のタイトルをよ~く見てみると
「0~12歳児の親が最低限しておくべきこと」って書いてある。
「最低限」…。かわいい表紙とソフトな文章のわりに実は厳しい内容だったのかも。気にせず読んでましたが。
気にせず読めるぐらいふわっとした感覚で頭に入ってくる本、といえるのかもしれません。
むしろ小学生男子のご両親におすすめな本です。
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